ひっさびさにmicroSDカードを買いました。
個人的に注目度は結構高いもののなかなか手が出せずにいた、「Application Performance Class 1」に対応したカードです。
データ移動やら初期設定やらが済んだので、ひとまずベンチマークを測ってみます。
目次
最低保証速度240Mbpsの超高速microSDカード(※ただしバルク品)
東芝
価格:6980円 (2017年08月14日現在)
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今回購入したのはこちらのmicroSDカードです。
表面の刻印から読み取れるこのカードのスペックは次のようになります。
- microSDXC規格、容量は128GB
- バスインターフェースUHS-I対応、最大転送速度104MB/s
- スピードクラスUHS-III対応、最低保障レート30MB/s
- Application Performance Class 1(A1)対応
刻印の読み方はこのようになります。詳しい仕様はSDアソシエーションの公式サイトへ。
さて、製品のどこにも240Mbpsとは書いてないけど、この数字はどこから持ってきたものなのか?
SDカードの性能についてはいくつかの補足が必要なため、順を追って説明します。
SDスピードクラス「UHS-3」が示す性能と意味
製品パッケージに U3 (正確にはUの中に数字の3が入っている)と刻印されているのがわかるでしょうか。
これはUHS-3規格に対応した製品であることを意味するマークです。業界指針となるメモリカード規格を策定する規格団体「SDアソシエーション」が策定したもので、読み方は「Ultra High Speed(ウルトラ・ハイ・スピード)」です。
従来のスピードクラス C10 では足りないほどデータが大きくなった時代に合わせて、またそうした事情からより大容量を保存できるようになったSDXC規格(32GB以上、理論値での最大容量は2TB)のSDメモリーカードに付与される、最低動作速度を保証するランク付けのようなものです。
スピードクラスについて詳しくは過去のポストをご覧ください。「バルク品」がどういうものかも解説しています。
この「U3」、UHS-3というランクは「最低保証レートが30MB/s」とWikipediaに記載されています。
ここに数字のマジックがありまして、「30MB/s」と「240Mbps」は同じ意味になります。
「MB」とBを大文字で書く場合はメガ"バイト"と読みます。対して「Mb」とbを小文字で書く場合はメガ"ビット"と読みます。
それぞれの比較は、1バイト=8ビットです。
つまり30メガバイトをビットに直す場合は単純に8倍するんです。より数値が大きいほうがインパクトが強いので、こうやって宣伝することもできるわけです。LTEとかWi-Fiの速度がよくMbpsの単位を使ってますよね。
以上は最低保障レート、つまり最低でも30MB/s(240Mbps)は出ることが保証されたものになります。
SDカードはロットや製品によって速度に結構ばらつきが出ますので、最低保障レートが決められているんです。通常はもっと速い結果が出るはずです。
今回購入した東芝のmicroSDカードは最大転送速度95MB/sを謳っています。760Mbpsですネ。
※当然ですが初期不良や経年劣化等を考慮していない、まっさらな状態での速度です。
バルク品ですがケースは付属しました
この状態でビニール袋に入って届きました。紙箱とかパッケージと、取説や保証書が無いってだけみたいです。保証書はあったかな?
通常サイズのSDカードアダプターもついています。
128GB UHS-3 A1対応SDカードをベンチマーク。驚きの結果が…!
先に断っておくとまっさらな状態ではありません。既にデータを移し終わったタイミング、かつ、アプリをSDにインストールするためパーティションを切っている状態です。
使用したベンチマークアプリはちょうど同じ名前の「A1 SD Bench」です。昔オクトバで使ったことがあったので。
A1 SD Bench : 端末が搭載している全てのメモリをベンチマークテストしてみよう!無料Androidアプリ | オクトバ
アプリの設定は、「Manufacturer」を「Toshiba」に、「Class」を「UHS-III」にしています。その後念のため一度リフレッシュも行いました。
計測結果がこちらです。
SD Card(外部領域) | Read 33.87MB/s | Write 31.23MB/s |
---|---|
SD Card(内部領域) | Read 153.72MB/s | Write 30.02MB/s |
Internal Memory(内部ストレージ) | Read 30.94MB/s | Write 31.76MB/s |
RAM Copy | 13938.28MB/s |
※Readが読み取り、Writeが書き込み速度です。
なぜか外部領域として残したほうより、内部領域として切り出したほうが速度が出るという結果に。
Application Performance Classはスマートフォンアプリの実行に耐えられる速度を保証する意味合いが強いため、Android OS側でも内部ストレージとしてパーティションを切った領域は転送モードが変わったりするんでしょうか??
とはいえ、バスインターフェースUHS-1の最大104MB/sの理論値を超えてしまっているのでどこまで正確なのかは不明です。
ちなみにA1規格の最低保証速度はシーケンシャルで10MB/s、Class10と一緒です。
なお「外部領域=通常のSDカードとしてデータを保存する領域」、「内部領域=端末に内部ストレージと認識させ、アプリを移すための領域」です。
余談1:速度の目安にと思って内部ストレージのベンチマークもついでに測ってみました。SDカードとほとんどかわらないのには正直びっくりです(もっとずっと速いと思ってた)。上記オクトバの記事でも書きましたが4年前の機種でも80MB/sくらいは出てるので、バックグラウンドタスクとかが邪魔してるのかな。
余談2:RAM Copy(RAMの読み書き性能)が桁違いに高いのはメモリの特性です。RAM(ランダム・アクセス・メモリ)とは、CPUを待たせないために超高速でアクセスできるよう設計されたメモリです。そのかわり電気が来なくなるとデータが全部消えてしまい、ROM(リード・オンリー・メモリ)のように保存することはできません。
内部ストレージやSDカード、ハードディスク、USBメモリ、SSDなど、「保存領域」として使用されるものがROMです。速度はガクッと落ちますが電源なしで長期間データを保持できるのが特徴です。
A1対応SDカードの使い道
今回はAndroid(Xperia XP)用に購入しました。
最大の懸念材料だったdブック(データ総量7GB超)の問題がなくなったので、アプリに割り当てる容量はそんなに大きくなくてもいいかなと思いまして、とりあえず20%ほどを切り出しています。
が、たとえばNintendo DSシリーズやNintendo Switchはダウンロード版ソフトなどをSDカードに保存できるため、そういう用途でも活躍が見込めるんじゃないかと思います。
ロード画面が短くなるといいですネ。(スマホ以外の端末のスタンドアロン・アプリがランダムライト1500IOPSで足りるなら、ですが)
また、スマホで使う場合には、アプリを移すだけでなく、写真やビデオなど重たいデータを保存しておくにも適しているかもしれません。
Xperiaの標準カメラは保存先にSDカードを指定できます。容量の膨らみがちな動画撮影時に大容量で高速のSDカードが入っていれば心強いことでしょう。この場合はA1だけでなくUHS-3、最低保障速度30MB/sという点でも頼りになります。
今回はベンチマークのみ。実際の動作速度は経過観察中です
実際にこのカードを使うとSDカードからのアプリの起動が高速になるか?
については、現段階では「YES」です。ですがこれまで使ってきたSanDiskのU1のカードも買った直後はそれなりに高速で、ある日突然ガクッと起動が遅くなった経験があるため、東芝のSDも少し"ならし"が必要かなと考えています。
カードを使い始めたのが先週末なので、とりあえず1週間~2週間くらい様子を見て、(覚えてたら)続きを書こうかなと思います。
そんな感じ。
記事公開からかなりの時間が経っているようですが、失礼致します。
A1はランダムアクセスの性能を保証するものですよね。しかし、ベンチマークの結果を見る限り、この記事ではシーケンシャルアクセスの性能を測っているように見えます。もしそうなら、その結果はA1に対応しているが故のものとは言えないのではないでしょうか。
コメントありがとうございます。
ベンチマークの結果はSDカードのレビューをするにあたって通過儀礼のようなかたちで行ったものです。A1の真骨頂である「アプリの可動」に対するレスポンスは後日談のほうにて、「LINEを起動してももたつかなかった」というかたちで紹介しています。
内容は面白くためになりました。
ただ、UHS-Iと、UHS Speed Class 3 の記述上の混同と、UHS-1など記述方法のブレが多く見られます。
見ている方が若干混乱すると思いましたので、おせっかいではありますが指摘させて頂きました。
これからも読ませて頂きますのでがんばってくださいー
アドバイスありがとうございます。
確かに記述を統一させたほうがわかりやすかったかと思います。もう1回アソシエーションのページ見てこようかな。