僕は3年前からroot化された端末を使っています。
機種変更しても(自分の力量で取得可能なら)rootを取っています。
Androidは手のひらサイズの端末ながらパソコンと比較されるほどに便利なツールです。
root化はそんなAndroidにかけられた一種のセーフティを強引に破り、全てを開放するような操作です。
Androidはとても賢いもので、無から有を作る以外ほとんどなんでもできます。
元からほとんどなんでもできるものの制限を外し、更に幅広いことができるようにするわけです。
最近Androidを買ったりして今からrootを取ろうかと考えている方はこの部分を都合よく捉えていないか、今一度自問自答してみてください。
「なんでも」できます。もちろん良い方向にだけじゃないですよ。自分のやりたい事もできますし、中に保存してあるプライバシー情報を世界中にバラ撒くこともできます。「なんでも」できます。
「なんでもできる」をもうちょっと具体的にいうと、「端末内の全ファイルにアクセスできる」ことになります。
root化された端末ではシステム領域に保存されたファイルを弄れます(例:プリインストールアプリの削除、フォントの変更、SystemUIの改変、他機種からのアプリの移植etc)。
非rootでこれができないのはキャリア等がロックしているからです。これは制限というよりはセーフティと思ったほうが良いです。下手に弄ると危ないから使われないようにされています(ついでに自社製のいくつかのアプリも保護してるけど)。
当たり前ですが例えばSystemUIの中身の改変をしくじって起動しなくなった場合、Android端末にはその状態を修復する機能はありません。ブートループが文鎮と混同される理由の一端もここにあります。
ブート画面から進まなくなった状態をAndroid端末だけで直すことはできません。
ではもしこうした状況が他人の手で作られてしまったらどうでしょうか。
rootアプリの中に悪意のあるプログラムが紛れ込んでいて、インストールして起動したらシステム領域がグチャグチャにされてしまったらどうでしょうか。rootを取っていなければ動かなかったアプリが動いたせいで起こった悲劇と言えるんじゃないでしょうか。
root化は端末を「自由に」すると同時に「無防備に」します。これだけは絶対に忘れないでください。
きちんと1つ1つ対策が取れるのであれば大丈夫です。
本題に戻って、僕がなぜrootを取っているのかというとちゃんと理由があります。
何度か書いていますが、僕がAndroidをroot化する理由は1つ。「デフォルトのUIの中に気に食わない部分があるから」です。
・大画面が売りのスマートフォンの「画面の中」にボタンを置いていること
ナビゲーションバーってやつです。これはこれで便利だし置くだけなら問題ないんだけど、どうやっても「フルスクリーン」にならないってのは納得できません。
これが現状最も大きな理由です。フォントや通知領域の透過や消灯アニメーションなどいろいろとありますが、一番大きいのはこれです。
Android 4.4ではようやくフルスクリーンが実現していますが、僕の端末はまだアップデートされていません。
もう1つ、同じく4.4で実現されていますが「画面録画ができない」というのも大きな理由です。
今回はこれらを解消してくれるアプリと、僕が現在使っている「どうしても手放せないrootアプリ」をまとめてみます。
Fullscreen Toggle
【DoubleX】make yourGN fullscree… | Galaxy Nexus | XDA Forum
このアプリはGoogle Playにありません。全く同じ機能を持つアプリは他にもありますが、とりあえず代表的なものとしてこちらを。
僕が抱える最も大きなジレンマを解消してくれるアプリです。インストールして起動、有効化して端末を再起動すると、ナビゲーションバーが綺麗サッパリ失われます。
LMT Launcher
[APP][ROOT] LMT Launcher v2.0 for various de… | Android | XDA Forum
このアプリもGoogle Playにありません。
ナビゲーションバーが邪魔なので消したまではいいけれど、消してしまうと肝心の操作ができませんよね。
そこで必要になるのがいわゆる代替ナビバーアプリ。その名の通りナビバーの機能をアプリで代用できるものです。
代替ナビバーもかなりいっぱい種類があり、中には非rootで使えるものもあります。
Navigation Layer : ナビゲーションバーの全てのボタンに指、届きますか? | アンドロイドアプリならオクトバ
ユーザー補助を使うタイプです。一部(メニューキー)などは使えませんが実用性は十分なので、非rootでナビバーを完全に隠せるようになれば僕にはrootはいらないかもしれません。
が、LMTは最初から現在までずっと乗り換える気が起きず、ほとんど入れっぱなしです。
それはこのアプリ1個で大抵の操作が事足りるから。拡張性も高いです。
最大10ボタンを同時表示、更に長押しで違うボタンを呼び出し可能、指定できるものもナビキーアクションだけに留まらず、「ナビキーアクションの長押し」の呼び出しが可能なほか、アプリやショートカットの起動、各種トグル、スクリプト指定、特定のホームアプリのドロワーを開くなんてことまでできます。
大きさと色も自由なのでたまに色を変えて遊んだりしています。
【Customization】LMT LauncherでPIEの色を変える
アイコンも自由にできます。
トムとロイド: 【root】【HowTo】LMT Launcherの見た目をカスタムしよう
また、LMTの「ポインター」は大画面端末を片手で持つ際には欠かせないものです。
ニワトリさんと人気を二分する(?)貴重な機能です。
Frontmost
Frontmost - Google Play の Android アプリ
Frontmost donation key - Google Play の Android アプリ
LMTの代わりとまではいかないものの、一緒に入れて使える多機能な代替ナビバーをいろいろ試した結果これに落ち着きました。
LMTには2つの不満点があり、
・起点を「中央」以外に置けない
・ナビキーアクションを「タップ」で呼び出せない(必ず「スワイプ」で呼び出す)
この2点を解消してくれるのがFrontmostです。
僕は端末を左手で持ちますが、画面左端中央にLMTの起点を置いてしまうとページスクロールの時によく間違ってLMTが出てきてしまって大変な目に遭います。
かといって下端中央だと指が届かないんです…。
Frontmostの使い方はこちら↓
トムとロイド: いつのまにかFrontmostがLMTに迫る機能性を獲得していた
アバスト!モバイルセキュリティ
Mobile Security & Antivirus - Google Play の Android アプリ
基本的にこのアプリは非rootで大丈夫です。どこでrootが必要になるかというと、搭載機能の1つ「アバスト!ファイアウォール」です。
特定のアプリに特定の方法でのインターネット通信(3G/Wi-Fi/ローミング)を禁止させるものです。
ぶっちゃけ今はほとんど使っていません(VPN使ってるし…)。
SCR Screen Recorder
SCR Screen Recorder Free ★root - Google Play の Android アプリ
4.2のXperia Zで画面録画するために使用しています。
今までずっとScreencast Video Recorderを使ってきましたが、暫く前から録画できなくなったので乗り換えました。
Entropy Fixer + Seeder
Entropy Fixer [ROOT] - Google Play の Android アプリ
Seeder - Google Play の Android アプリ
使い方はこちら↓
【Zレポート】Entropy Fixerを入れてみました【GXレポート】
このアプリは2つ組み合わせないと(あまり)意味はないです。
簡単に言うとレスポンスを改善するもの、もうちょっと具体的にいうとエントロピープールを拡大して常に乱数を保持しておく仕組みです。
1.5GHzクアッド+2GB RAMでもいろいろやってると足りないんですよね。
Z3 Compactはよ…。
Samba Filesharing
Samba Filesharing for Android - Google Play の Android アプリ
AirDroid、AnySend、FTP接続よりも更に簡単、最初から最後まで端末に一切触れずに中身をPCに取り出せるようにするアプリです。
これを有効化した端末はPCからネットワークドライブの1つとみなされます。
ちなみにPCと端末を連携してファイルをやりとりする方法はいっぱいあります↓
【Xperiaレポート】PC連携ツール7種類を比べてみた
特定のWi-Fi APに接続している時のみ有効にするホワイトリストが搭載されているので、本当に一切端末に触る必要がありません。
いくつか設定をしておくとより便利になります↓
トムとロイド: 【root】Samba Filesharingで表示したフォルダにThumbs.dbを生成させないよう設定する
Titanium Backup
Titanium Backup ★ root - Google Play の Android アプリ
Titanium Backup PRO Key ★ root - Google Play の Android アプリ
アプリのバックアップはずーっとこれ1本です。
世代バックアップ(上書きせずにバックアップ)可能、データごとバックアップ可能、オンラインストレージ上に保存可能、スケジューリング可能と、いうことなし。
これについても書きたいこと溜まってるんだよなぁ…。
AutoKiller Memory Optimizer
AutoKiller Memory Optimizer - Google Play の Android アプリ
AutoKiller PRO - Google Play の Android アプリ
いわゆるタスクキラーですが、それ以上にこのアプリを頼る理由はこのアプリがRAMの空き容量を制御するものだからです。
OOM値を下げたりとかもたまにします。
このアプリの「代替プリセット」を使うと、画面点灯中と消灯中で別々のプロファイルが適用できます。消灯時に空き容量を大きく確保するようにしておくと(KILLされるタスクが増えますが)復帰時にスムーズに動きます。
最後に
というわけで、僕は自分の端末に感じる不満点のいくつかをrootアプリを使うことで解消しています。
ここで履き違えてはいけないこととして、こうした不満がどれだけ高まろうともキャリアやメーカーに訴えることは完全にお門違いであるということです。
「イヤなら買うな」って言われておしまいですからネ。ドコモもauもソフトバンクも、端末をユーザーに押し付けてはいません。買わなきゃならない状況を作って料金を脅し取るようなこともしていませんし、無料奉仕もしていません。スマホはボランティアで配られる配給品はなくビジネスで生まれた商品です。
※プリインを消せないこと、PCと違って増設・換装できないくせにRAMを勝手に使うことについては文句の1つも言ってやりたいですけどネ。
もう1つとても大切なこと、rootアプリとXposedフレームワークおよびモジュールは別物と考えてください。
このため今回の記事にXposedモジュールは一切登場していません。
そんな感じ。