一般的なスマートフォン、タブレットのカメラはデジタルズームができます。
これに対してiPhoneXのカメラは光学ズームができます。
両者の違いはご存知ですか?デジカメがやるのも光学ズームです。
目次
光学ズームとデジタルズームの違い
光学ズームとは、いわば望遠鏡の原理です。2枚のレンズを用意してそれぞれの距離を調整することで、被写体に"寄り"で撮影できるやつと思っていいはず。
対して一般的なスマホカメラが行うデジタルズームは、平たくいえば「拡大」処理です。
ピンチアウトして写真やウェブページを大きくしたことありませんか?あれと一緒。被写体には寄らず、捉えたものを拡大します。
どっちがどう違うかはオリンパスのHPで詳しく解説されています。
端的にいうと、デジタルズームの拡大処理は元画像(1倍率)の時の画素サイズに依存するため、拡大率を上げると画像が荒くなります。
対して光学ズームは拡大処理を行っていないため、高いクオリティで高倍率の写真が撮れます。
最たる例だと天体望遠鏡ですかね、土星の写真とか見たことありませんか?
iPhoneXの光学ズームの倍率は2倍
ご存知の通りiPhone Xは背面にカメラレンズを2つ持っています。
片方が通常の写真が撮れる広角レンズ、もう片方が光学2倍ズームを実現した望遠レンズです。
今説明したように、光学ズームとは望遠鏡やデジタル一眼の望遠レンズのように物理的にレンズ同士の距離を調整することで倍率を変化させるしくみのため、レンズが動かせないスマホでは光学ズームができません。
なのでiPhone Xはデフォルトで(通常レンズの)2倍になるレンズを設けたってことだと思います。
つまり、iPhoneXは光学ズームが可能ではありあますが、倍率は変化しません。2倍のみです。
広角レンズと望遠レンズの切替え方
まずは普通にカメラを構えます。
画面内の倍率が表示されている部分をタップすると2倍になります。
この状態でシャッターを切ればOK。
ただし必ず望遠レンズが使用されるわけではない
iPhoneXのカメラはピンチアウト操作をすることで最大10倍までズームできます。
もしもiPhoneXをお持ちでしたら、こんな操作をしてみてください。
望遠レンズ側を指で隠して、ピンチアウトでズームします。
するとだいたい2倍~2.5倍の間くらいで画面が真っ暗になると思います。使用されるレンズが広角から望遠に切り替わったためです。
しかし、こちらで試したところ以下のような場合では切り替わらず、広角レンズで10倍のデジタルズームが行われることもありました。
- 被写体まで近すぎて遠近感がなく、見下ろすアングルで立体感もない場合
- 夜の月など真っ暗な場所で使用する場合
以前iPhoneXで月を撮った時も、レンズが切り替わらなかったため広角レンズ側に望遠アタッチメントを装着しています。
AppleCareに確認してみたところ、どのようなタイミング・条件で広角と望遠を切り替えるかという仕様は公開していないそうです。
ただ、マニュアルカメラアプリが作れるようにiPhoneのカメラまわりのAPIなどは公開されているので、デベロッパーになれば調べることは可能かもしれない、とのことでした。
もう1つ補足として、たとえ望遠レンズを使った場合でも、先述した通りレンズ自体が動かないため、たとえば望遠レンズ側で3倍以上のズームにした場合はデジタルズームとなるはずです。実際かなり荒れますし。
光学2倍ズームは室内の被写体との相性が高いと思います
先日紹介したdocomo M Z-01Kのレビューで使ったこちらの写真もiPhoneXの2倍ズームで撮影しています。USB Type-Cコネクタを写したものもそうです。
昔、Xperia XPはマクロモードが優秀で接写に強いと紹介しましたが、iPhoneXはフォーカスギリギリまで寄ったあとで2倍にズームして撮影できる強みがあります。
先述した通り必ず望遠レンズに切り替わるわけではないので、2倍で撮ってもブレる場合は位置や角度を変えてみてください。ポートレートモードと同じく奥行きを検出できるアングルだと正常に動作しやすいと思います。
そんな感じ。