僕は音質に拘りが全くない、いわゆるバカ耳を自覚しているためこの手のレビューは基本しないのですが、この端末では耳だけでなく手からも違いを実感できたので調べてみました。
Xperia Z3 Compactを使用しています。
WALKMANアプリの音質チューニング設定
Xperia標準の音楽アプリ「WALKMAN」
XperiaZ3とZ3 Compactには「DSEE HX」やハイレゾ対応といった目を惹く機能が多く搭載されていますが、基本的にWALKMANアプリでのみ有効だったり、「ClearAudio+」と両立できないなどの縛りも存在するようです。
Xperia Z3シリーズで進化したオーディオ機能、DSEE HXのサポートとハイレゾ音源の対応拡大 | juggly.cn
僕は基本的にXperiaではWALKMANアプリで音楽を聞くため常にClearAudio+を有効化した状態のまま使っていましたが、今日ためしに設定を変えてみたところ明らかな変化がありました。
3種類×2パターンの可変チューニング
XperiaZ3 Compactの「WALKMAN」アプリの設定から「サウンドエフェクト」を選ぶと、おおまかに3種類のチューニングを変更することができます。
そしてこの設定は「イヤホン接続時」と「スピーカー出力時」のそれぞれに対して別々のものが存在します。
イヤホン接続時
- ClearAudio+を有効化
- ClearAudio+を無効化+DSEE HXを有効化
- ClearAudio+を無効化+DSEE HXを無効化
この3種類です。
バカ耳なりに聞き分けてみたところ、"質"の変化もさることながら曲のダイナミックさというか強調具合みたいなものがかなり違っていました。
こういう形で設定を変更するだけでボリュームが上がったように感じます。
スピーカー出力時
ClearAudio+を有効化
ClearAudio+を無効化+S-Force Front Surroundを有効化
ClearAudio+を無効化+S-Force Front Surroundを無効化
この3種類です。
こちらも同様に、
こういう形でボリュームが上がったように感じます。
なお「ダイナミックノーマライザー」は曲のゲイン調節のような項目で、ボリュームレヴェルを統一する機能であり"音質"に関係ないため含まれません。
また上の画像では「ヘッドフォン」を選択していますが、視聴に使用したものはXperia Zに付属したイヤホンであり、Z3 Compactはおろかデジタルノイキャンにも対応していない製品ですのでそのへんも含みません。ただし再生は静かな自室で行いましたので、雑音は入ってきません。
ついでに「イコライザー」と「サラウンド(VPT)」にも今回は触れません。このへんは個人の好みが別れるため、指標を作れないからです。
それぞれの特徴
まず大前提としてClearAudio+を有効化した時はDSEE HXおよびS-Force Front Surroundは使用できません。
このため「持ってる曲をハイレゾ相当で再生してみたい」と思ったらClearAudio+を切り、DSEE HXを有効化する必要があります。
ではそれぞれ何がどう違うのかというと、
ClearAudio+ … 音質に関するチューニングをWALKMANに任せる。ソニーが考えた「いい感じの音」に自動調整してくれる…はずなんだけどやたらと音を強調してくる
DSEE HX … イヤホン接続時に使う機能。主に高音域に変化があるという話が多い。既存のDSEEに比べアップサンプリング、アップスケーリングなども強化されている?
S-Force Front Surround … スピーカーから音を出す時に使う機能。端末に据えられた2箇所のスピーカーから出る音を調節し、5.1chサラウンドのような立体感のある音を演出する
※伝聞情報を含みます。
最も顕著な違いは「振動」
特にスピーカーを使用する際なのですが、ClearAudio+を有効化していると出力される音がかなり強く、ビリビリ震えます。
ボリュームが上がるというのも若干語弊がある気がしますが、とにかく"押し"が強くなるような印象を受けました。ノーマルな状態から設定を変えるに従ってどんどんダイナミックになっていきます。
イヤホン接続時は、強調されると同時に音がどんどんシャープになっていく気がします。
全てのチェックを外した時は非常にマイルドで、若干くぐもった感じかなというところ。本当に「普通のMP3」を再生している感じ、かな?
これがDSEE HXをONにすると音の幅がスリムアップされ、鋭く突き刺さるような感じになります。
ClearAudio+をONにすると更に音が研ぎ澄まされ、特にヴォーカルパートのビブラートやベースといったウェーブを描く感じの音がくっきりはっきりします。ちょうどカメラアプリのHDR機能のように、輪郭を強調するようなイメージを抱きました。
以上を比較した結果、Tomの好みは次のようになります。
イヤホン接続時
ClearAudio+ … シャープすぎてうっとうしい
DSEE HX … 中間に位置するため最も無難
ノーマル … モッサリしてて気持ち悪い
スピーカー出力時
ClearAudio+ … 震えすぎて端末を持ちたくない。通話をスピーカーでしてる時のように音がでかい
S-Force Front Surround … なぜかこれが一番モッサリしている。柔らかいクッションに置いてるせい?
ノーマル … 意外と捨てたもんじゃない
となりました。
※保存した楽曲のフォーマットにも左右される可能性大ですので絶対に鵜呑みにしないでください。
意外と「熱」にも影響があるかも
が、ClearAudio+を切ったところ若干熱が下がった気がしています。検証時間は十分とはいえないためこちらも鵜呑みにはしないでほしいですが、念のため追記しておきます。
視聴環境が全てを決める
先日ショーグンさんのためになるコラムをツイートしたところえらい伸びました。
【コラム】Xperia Z3で使うイヤフォンのベストバイはこれだ!(ハイレゾはすごかった!けど・・・) | XperiaにおけるAndroidアプリ考察
ここでも言及されていますが、高品質な音を楽しむためにはそれなりの環境が必要になります。
いくらDSEE HXが優れていようと地下鉄でハイレゾを100%楽しむことは難しいでしょう。
また、楽曲のフォーマット(拡張子だけでなくサンプリングレートや量子化ビット数など)も人によっては重要になります。
YouTubeのダウンロードサイトなどから落とした曲(←ダメですヨ)をハイレゾにすることはいくらソニーでもできません。
端末で快適に音楽を、と思うなら、まずは自分がどんな環境で聴くかを考える必要があります。
電車での移動時に使うことが最も多いTomにとってはハイレゾに魅力はなく、むしろノイキャンが大活躍します。
また冒頭で触れた通りバカ耳なので、フォーマットも一般的なMP3 256Kbpsで十分です。むしろ保存領域を節約したい。
というわけで、外出時騒音が気になる場合はClearAudio+、気にならない場合はDSEE HX、家でスピーカーを使う時はノーマルという設定が一番しっくりきました。
今後更に調べようと思っていますが、ClearAudio+を切ることで熱(とバッテリードレイン)が下げられるならいいんですけどねぇ。
そんな感じ。
「HDR機能のよう」とのことですが、HDRとはハイダイナミックレンジの略で、写真のダイナミックレンジ(分かりやすく言うと明るさの範囲)(要検索)を広げる昨日であり、決して解像感を高めるようなものではありません。
もしHDRのようだと本当に感ぜられたのでしたら無視していただければ結構ですが、一応、お知らせさせていただきます。
コメントありがとうございます。
紛らわしい表現で困惑させてしまい大変申し訳ありません。確かに、HDRとは全く別物であることは理解しています。
ここで使用した意図としては、HDRに対する個人的なイメージとして「風景などの輪郭が強調される」という表現を使うことがあるため、同じように「音の輪郭を強調する」イメージが近いと思ったものです。