【コラム】Windows 10 Mobileはこうすれば売れる(んじゃないかなぁ)

Microsoft Lumia 640 XL
photo by Ⓒ Microsoft Lumia 640 XL|Maurizio Pesce|2015

ちょうどGIGAZINEに日本国内で買える「Windows 10 Mobile」搭載スマートフォン総まとめが出ていたので参考にさせていただきました。

これだけ国内で浸透したモバイルデバイスもまだ足りない部分があると個人的には思っているので、Microsoftがそこに気づけばWindows 10 Mobileは一気にブレイクする可能性も否定できないと思います。

未だ成熟には程遠いモバイルOS

Android & iPhone
世界をリードする2大OS

AndroidもiOSも、かつての携帯電話(ガラケー)と比べてマルチタスクができることを最大のウリとして市場投入され、爆発的な普及を見せました。

その浸透速度は末恐ろしいものがあり、登場から5~6年しか経っていないのに、すでに先進国では1人に1台が当たり前、中には何台も持って使い分ける人も。(ここにも1人)

※厳密には1992年にスマホがあったなど複雑な事情が絡む部分もありますが、携帯とスマホの中間に位置したPDAの位置づけなど微妙な点を加味したところでたいした意味が無いと判断し、Tomは主に国内で流行りだした2010~2011年を普及の最初期と考えています。

今では当たり前に使われている「マルチタスク」ですが、ことモバイルOSに限っていえばこの仕組みは未だ完成度が極めて低いと見ることができます。

ゲーム中にチャットもできない

昨年10月に「ゼノニアS」というスマホ向けMMORPGが発表されました。リアルタイムでチャットできるのが魅力だそうです。
TomがPCでずっとやってるMMORPGも「ゲームができるチャットルーム」と皮肉られているのですが、このように多人数参加型の魅力は友達と交流できるところにあります。

ところが国内でメジャーなソシャゲを見回してみるとチャット機能のついたものがない。
特に、昨年誘われたモンスト(モンスターストライク)はLINEの友達とマルチプレイができるのが魅力でやってますが、プレイ中にLINEを起動できないためゲーム中にコミュニケーションが取れない部分が弱点だと感じており、スマホのマルチタスクの弱さを痛感しました。

Lobiみたいな外部チャットツールを使い、マルチデバイスな環境(手元のスマホでゲーム、目の前のPCでチャット)を作る人もいるようです。

それもそのはず、64bitのOSとCPUを搭載しながら(これが本当に役に立つ最大の理由になるはずの)4GBを超える実行メモリ(RAM)を搭載したフラグシップが極端に少なく、いわゆる「なんちゃってマルチタスク」になっているものがほとんどです。

おかしいじゃないですか、どうして3GBで止まるんですか。

モバイルOSの”中途半端な”マルチタスクの仕組み

マルチタスクとは
photo by CC-BY-ND caffeinating, calculating, computerating|Ryan Ritchie|2010

「マルチタスク」とは、独立した複数の作業を”同時に“行える仕組みを意味します。
パソコンをイメージすると至極わかりやすいのですが、画面の下にタスクバーが並んでいて、そこにブラウザやエクスプローラーやアプリなんかがいくつか並んでいることがありますよね。

Windowsのタスクバー
Windowsのタスクバー

このように、複数のアプリを同時に実行して必要に応じて切り替える機能も「マルチタスク」の1つです。
そしてこの機能を持っているためAndroid/iOSは爆発的にヒットしたわけなんですが、これとは別に「マルチタスク」にはもっと大きな魅力があるんです。

本格的なマルチタスク
パソコンのマルチタスク

このように、複数のアプリを同時に実行した上で”複数の画面を同時に表示する“、ともすれば同時に操作することもできるのが本当の意味での「マルチタスク」です。

メールを見ながら音楽を聴くことは独立したハードウェアをくっつけただけでもできます。
しかし、先ほどの例でいけば「ゲームをしながらチャットする」とか、あるいは「フォルダから画像をドラッグしてレタッチアプリに読み込む」なんて作業もマルチタスクの一環です。

スマホでは数少ない事例となりますが、「電話をスピーカーモードにして画面を操作する」、トラブルシューティング時に行う作業は「マルチタスク」ありきです。

今年登場してほしい機能

Windows 10 Mobileじゃなくてもいいんですが、もし今本気で第3のOSとして食い込むなら「音声入力を使用したチャット機能」の実装がかなり有力だと思うため、ぜひMicrosoftにやってほしいと感じています。

SiriやGoogle Nowを持ち出すまでもなく、スマホは既にタイピング操作不要で文字入力ができます。
多くのゲームでコミュニケーション手段に採用されている「ソーシャルアイコン(感情を表現できる絵文字のようなもの)」も発展していますし、モンストにも「グッジョブ!」と発言できる機能はあります。

音声をテキストに変換する利点として発言がフラット(悪く言えば無機質)になるところにあります。感情が文面からしか伝わらないため、発音の機微で相手の機嫌を損ねることがありません。
このへんが「チャット」のいいところ、淡々としながら実は画面の前で爆笑しているような状況を作り出す所以じゃないかと思っています。

反対に文字を読み取って音声出力する、「テキストトゥスピーチ(TTS)」という仕組みもかなり初期から搭載されています。

せっかく標準装備された機能をどうして誰も使わないのか、不思議でなりません。
AppleのGame Center、GoogleのPlay GamesのようなゲーミングハブをMicrosoftも考えているでしょう。
その機能はぜひとも(見よう見まねの中途半端なマルチプレイなんかじゃなく)、ゲーム画面にチャットツールを挿入するAPIのように動いてほしいものです。

多くのメッセンジャーで採用されているUIを模して、ゲーム画面にオーバーレイで重ねるように吹き出しを表示するようにするといいんじゃないかと思いますね。
ついでに「(笑)」的な感情を表現するソーシャルアイコンをいくつか用意しておけばスタンプのような大掛かりな仕組みもいらないと思います。

アプリケーションの要件が上がり続けているのに、ハードウェアはCPUしか進化しないのは、「常に1つのアプリをプライマリタスクとして扱い、他のアプリは”生きてるけど隠れてる“休憩状態のような仕組みとなっている」現在のなんちゃってマルチタスクのせいではないでしょうか。

そして隠れているアプリはメモリが足りなくなると自動的に殺されます。そして多くの場合、メモリはすぐに足りなくなります。

いい加減この動きはシングルタスクだと認識してほしいものです。

Microsoftが抱える課題

photo by Ⓒ Reason 1,312 why Macs are better…|theopie|2007

携帯電話よりも先にパソコンを持っていた人からすれば、「マルチタスク」と聞けば当然パソコンと同じ環境を想像するわけです。

しかしキーボードやマウスを持たず画面の小さなスマホでそれはまだ不可能、必要性にも疑問符がつきます。これに関しては後述。

ですが「並行操作」という点ではもっと高い次元が求められているはずです。

それを実現するには当然高いスペックが要求されるわけです。
冒頭のGIGAZINEにて「頭一つ抜けた高性能仕様(引用)」と紹介された「NuAns NEO」もまだ足りない。
とはいえCPUの要件的にはなかなかのハイエンドだと思います。1.5GHzといえど8コアだし(ただしこれもなんちゃってオクタ。クアッド2つの同居状態ですが)。
問題は2GBしかないRAM。複数のアプリを同時起動するには明らかに足りません。
これが例えばTomみたいにバックグラウンドで動く自動化アプリを使わないのであれば、あるいは動くかもしれませんが。

今年をWindows 10 Mobile元年とするなら、遅くとも来年までにはAndroidを超えるスペックのフラグシップを1台投入してみてほしいです。それこそ64bitOS、CPUに合う、8~10GBを超えるようなRAM環境なんてWindowsの十八番でしょう。

ゲーム以外でのマルチタスク

そうは言ってもスマホでそこまで複雑な作業は発生しない、したとしてもやりたくない
そういう思いも強いことでしょう。Tomもぶっちゃけそうです。

スマホでExcelなんて開きたくない。
だからこそこの方面の進歩は後回しにされてきており、未だ忘れられ続けているのではないかと思います。

しかしこれに対しMicrosoftは1つの回答を提示させることに成功しました。

「マルチ」を意識して複数のことをさせるなら、役割をわければいい。
PCでExcelを開いたならスマホでショートカットキーの一覧やHowToを表示する…と考えてしまいがちですがそうではなく、モバイルの強みを活かしてデータを(編集可能なまま)持ち歩けるようにする。そして編集に必要な入力デバイスはスマホで代用できるようにして、出先で必要なものを「ディスプレイ」のみに絞る。

これがコンティニュアムの初期段階での活用方法です。外付けでマウスやキーボードやストレージも使えるのでPCの使い勝手は損なわず、それでいてスマホをトラックパッドとすることもできると聞いています。

これとは別に、いくつかのデバイスも本格的なマルチタスクに対する回答を持ちあわせています。WiiU/Nintendo DSシリーズが最たる例だと思います。

ゲームの話に戻っちゃいますが、こうしたモバイル(ウェアラブル)環境でのマルチタスクをユーザーから受け入れられたのが任天堂ですが、受け入れられなかった企業も存在します。SONYです。
XperiaのPlayStation Networkは中途半端です。スマホアプリとして起動するのになんで他デバイス向けのゲームを買わせるんですかね。
任天堂がスマホ作ったら同じアプリ出すんでしょうか。

PlayStation Mobileが廃れたのは市場を独立させたせいだと思います。わざわざ公式が移植しなきゃ遊べないんじゃ意味が無い。何のためのエミュレータなんだかわからない。既にディスクで持ってるソフトをなんでダウンロード購入しなきゃいけないのかわからない。

ちょっと話が逸れましたが、MSはこうした経緯をずっと見てきたはずです。前車の轍を踏みさえしなければきっと素敵なサービスを構築できると思います。

Windows 10 Mobile最大の強みはコンティニュアムだけではありません。Windows PCとの親和性です。
極端な話、USBで繋ぐだけで全データを同期するような仕組みも簡単に実装できると思うんですよね。これはAndroidには無理です。特にサードパーティのアプリが独立してるから(=Windows版の同じアプリがほとんどないから)。

常にネット接続が必要なウェブOSや現在のオンラインストレージにはない、オフライン同期を実現する手段として最も身近で有力、そして初心者でも扱える可能性が一番高いのがWindows 10 Mobileになるはずです。

だからモバイルでexeを動かせと言っているわけでもあります。使いたいでしょう?
これが実現すればゲームのクライアントとセーブデータを持ち運んでどこででも続きからプレイできるんですよ。ストレージだけでなくOSごと持ち歩くんですから。

PCと同じ自由度のMMORPGをPCと違う使い勝手のスマホでやろうとするから弊害が生じる。
UAで判断してモバイルからアクセスしてきた時は、ゲーム内アイテムやガチャチケットがもらえるサブクエスト的な専用ミニゲームを遊ばせるようにしてもいいんじゃないでしょうか。
本格的な進行はPCで、ミニゲームは空き時間にスマホでできる、そんなゲームを遊んでみたいと思います。これも余談ですが。

USBメモリで実現できていることをどうしてスマホでできないのか、疑問です。

そんな感じ。

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