iPhoneで「モバイル通信」が勝手に大量に消費される事象が発生中

iPhoneのモバイルデータ通信の内訳

iPhoneの「設定」アプリの中から確認できます。

Apple Careに問い合わせたところ、現在複数のユーザーから(恐らくキャリアも関係ないだろうと伺っています)、月間の通信容量(ギガ)が大量に使われている、制限に達しているといった相談を受けているとのことです。

かくいう自分も8月後半に容量制限に達してしまい、原因を調べていたのですが、現時点でのApple Careの回答としてはOSまたは端末などが原因の可能性があるということでした。

このあたりをまとめます。

iPhoneの「システムサービス」がギガを大量に消費

iPhoneのモバイルデータ通信の内訳
iPhoneの「設定」アプリから、「モバイル通信」を開いて少しスクロールするとこの項目があります。

どのアプリがどれだけギガを消費したかを集計している画面です。

このキャプチャは8月のものですが、「システムサービス」が5.3GBもモバイル通信を使用しています。
僕は現在ドコモminiを契約しているので、月間の容量上限(10GB)の半分以上が「システムサービス」に使われたことになります。

iPhoneでモバイル通信の使用状況の統計を取る

なお、上記の内訳を見るためには、iPhoneで「モバイル通信の使用状況の統計」を取ることを許可してある必要があります。
この項目は「設定」→「モバイル通信」の一番下にあります。

自分が意図せず使っている可能性がないか確認する必要はあります

Apple Careと何度かやり取りし、意図せずにモバイル通信を大量に使ってしまう可能性について切り分けを行ったので残しておきます。

大まかな内訳としては、ソフトウェアアップデート、Wi-Fiアシスト、iCloud、VPN、広告ブロッカーなどになります。

①OSのアップデートをモバイル通信で受信する可能性について

システムサービスの「一般」が大量にギガを消費

上記の「システムサービス」をタップすると、更に内訳を見ることができます。
8月に使用された5.3GBのうち、「一般」が3.79GB使っていることがわかりました。

長いので切り取っていますが、この一覧の中には「ソフトウェアアップデート」もあります。なので「一般」の中にOSのアップデート分は含まれないと思われます。
(ただし「ソフトウェアアップデート」がアプリ(Appleアプリ)のアップデートを指しているのかOSを含んでいるのかは不明です)

…といって否定したものの、可能性の1つとしてOSのアップデートをモバイル通信で受信してしまうことは結構ありうるので残しておきます。
というのも、現状最新のiOSは事実上強制的にモバイル通信でアップデートを受信する挙動となっているためです。

iOSのアップデートはモバイル通信で受信される

これは先日配信されたiOS18.6.2をインストールし、端末が再起動された直後に表示されたものです。
「今後のソフトウェアアップデートは、リリースされると自動的にダウンロードされインストールされます。」と書かれています。
これが何を意味するかというと、次のキャプチャに関係します。

iPhoneの自動アップデート設定

iPhoneの「設定」から「一般」→「ソフトウェアアップデート」と進むと「自動アップデート」という項目があります。
ここから、ソフトウェアアップデートを自動で受け取るか、手動で受け取るかを選べます。

現在は項目が変わってしまっているのですが、少し前までここに「Wi-Fi接続時のみ自動でダウンロードする」という項目があったように記憶しています。

現在はこの項目がなくなっている、というだけでなく、少なくとも18.6.2を適用した際に確認した事実として、OSをアップデートするとここの項目が全て勝手に「ON」にされているところがポイントです。
OS更新前に手動で「OFF」にしておいても、OSを更新すると勝手に「ON」に戻されていました。
おそらくここ(特に「自動ダウンロード」)が「ON」の状態だと、アップデートが配信された時点でWi-Fiに接続していない場合、モバイル通信を使ってダウンロードされることになるのだと思います。

ただ、少なくとも今回(僕のiPhoneに起きた8月の事象)ではこれは該当しないようでした。手動でOFFにしていましたし、「ソフトウェアアップデート」の消費量は8月は67.2MBと少量でしたし。

②Wi-Fiアシスト、③iCloudについて

iPhoneのWi-FiアシストとiCloudの設定
項目が近いので2つ一緒に記載します。
この項目は「設定」→「モバイル通信」から確認できます。

「Wi-Fiアシスト」とは、端末が掴んでいるWi-Fiの電波が弱く通信が不安定になった時にモバイル通信を併用することで安定性を確保する技術です。
つまりこれがONの状態だと、Wi-Fi接続時でもモバイル通信が併用される可能性があります。

iCloudについては、「iCloudドライブへのデータ通信(同期など)」と「iCloudバックアップ」をモバイル通信で行うかどうかを決められます。

僕の環境ではここの項目はずっとOFFでしたので今回は関係なさそうでした。

④VPNアプリが通信に干渉した可能性

こちらについては特にアプリを入れていなかったので検証はしていませんが、Apple Careのスペシャリスト曰く、VPNのようにモバイル通信に干渉するアプリを入れている場合、それがOSバージョンや設定などと万が一衝突したりすると暴走したようになり、意図しない通信が発生。その際に発生した通信が「VPNアプリとして」ではなく「システムサービスとして」カウントされてしまうようなことも起こり得る、とのことでした。

⑤広告ブロッカー(特にDNSに干渉できるタイプ)が原因の可能性

iPhoneの280blockerアプリ

iPhone用の広告ブロッカーアプリ「280blocker」を使っていました。
このアプリの設定の中に「DNSブロック」があり、有効化もしていました。

iPhoneのDNS設定

するとこのように、iPhoneの「設定」→「一般」→「VPNとデバイス管理」項目にある「DNS」の設定が280blockerに変化します。
これももしかすると関係するかもしれないとのことで、アンインストールして1週間様子を見ました。が、見た限りでは「システムサービス」がモバイル通信を消費する速度に変化はなく、結局そのまま上限に達したことで通信制限をかけられてしまいました。

なお、VPNや広告ブロッカーが入っている場合、(これも断言はできませんが)アプリをアンインストールしただけでは解消しない可能性があるとのことです。
理想としては、アプリをアンインストールした後で一度端末を再起動するのが良いとのことでした。

注:これらが原因と断言はできない。あくまでも可能性はあるというだけです

Apaple Careのスペシャリストにも言われましたが、この切り分けはあくまでも可能性がありそうなものを見ているだけで、VPNや広告ブロッカーが入っていたら必ず今回の症状が起きるというわけではないです。
そもそもスマホ本体/アプリどちらもバックグラウンド通信をしますし、タイミングによって配信されるものも変わりますので詳細は不明でした。

対処法としては「アップデートで修正されるのを待って」とのこと

Apple Careと何度かやり取りをしているうちに「お客様以外の複数の方から同様の問い合わせがあった」ことから、恐らくOSに起因するトラブルではないかとのお話をいただきました。
断言はできないものの、問い合わせがあった複数件は通信キャリアもばらばらだった可能性があるとのことです。つまりドコモ側には原因がない可能性があるということです。

何に通信したかがわからない以上、OSアップデートで修正されるのを待ってほしいそうです。
でもそんなこと言ってたら今月もギガがなくなってしまいます。

2025年9月4日時点で722MB使用されている

本件執筆時点は2025/9/4ですが、月初から4日で既に「システムサービス」は722MB使用されています。
このままいくと、月末までに単純計算でも7GB前後は使われてしまうのではないかとヒヤヒヤしています…。

一応、解消するかどうかはわからないけど、iPhoneのネットワークリセットやリカバリーアップデートも教えてもらいました。設定やデータがリセットされると面倒なので、一旦リカバリーアップデートだけ実施して様子を見ています。

参考:リカバリーアップデートのやり方

とはいえこれ以上できることがないので、外出時は積極的にモバイル通信を切るよう心がけるしかないかなぁ…と思っています。さすがに会社のWi-Fi使うわけにもいきませんし。

一応ドコモ側にも事情を説明したのですが、「Appleがそう言っているのであればドコモとしてできることはない」とのことでした。

そんな感じでもし同様の症状の方がいましたらご注意ください。

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